読売文学賞受賞の長編小説『ある男』(著:平野啓一郎)の英語版 “A MAN”(Amazon Crossing / 訳:Eli K.P. William)。平野啓一郎にとって、初めての長編小説の英訳で、また、Eli K.P. Williamにとって、英訳を担当した長編小説では、初めての刊行となる。2020年6月1日発売予定。

あらすじ

弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。宮崎に住んでいる里枝には2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。

ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。里枝が頼れるのは、弁護士の城戸だけだった。人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。

人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。

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レビュー

“Hirano’s English-language debut, a shape-shifting psychological thriller… As back-alley gritty and entertaining as a Raymond Chandler novel, the book asks what it means to be ‘you,’ and suggests that the answer means nothing at all. Hirano’s stylish, suspenseful noir should earn him a stateside audience.
Publishers Weekly